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田中 忠夫; 坂本 義昭; 澤田 博司; 小川 弘道
JAERI-Conf 2003-010, p.134 - 141, 2003/09
地層中における放射性核種の収着性及び移動性に及ぼす可溶性天然有機物の影響について研究した。本研究では、国際腐植物質学会から提供されているNordicフミン酸を共存させた条件下で、粉砕した花崗岩中におけるNp(V)及びAm(III)の移行実験を実施した。Npの場合、カラムからの破過曲線におけるNp濃度の経時変化及びカラム内を透過するNpの移行速度は、フミン酸の共存による影響を受けなかった。一方、Amの破過傾向は共存するフミン酸濃度によって影響を受けることがわかった。カラムシステムを透過するAmの移行は、フミン酸とAmの錯生成反応の非平衡状態を考慮した移行モデルを適用することによって説明できた。
田中 忠夫; 山本 忠利
Radioisotopes, 43(7), p.389 - 396, 1994/07
自然環境の通気層中に生じる不連続な水の流れの条件下におけるSrの移行挙動を明らかにするため、Srで汚染させた砂質土壌層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム移行実験を行った。流れの停止回数が増すに従って、陽イオン性Srの土壌層中移行速度は増大する傾向を示した。この原因は、土壌から間隙水中へ溶出するCaの濃度が流れの停止期間に増加することにより、Srの分配係数が減少するためであるとみなされた。土壌層流出液のCa濃度から推定したSrの分配係数と土壌層におけるSrの移行速度から得た分配係数とは、流れの停止回数に伴う減少傾向がよく一致した。
田中 忠夫; 神山 秀雄
JAERI-M 93-035, 22 Pages, 1993/03
ネプツニウム(V)とアルセナゾIIIとの錯形成による呈色反応を利用して、吸光光度法による水溶液中微量ネプツニウム(V)の連続定量を試みた。容量300lのフローセルへ、pHを4.3に調節した酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液中のアルセナゾIII210Mとネプツニウム(V)110~110Mをそれぞれ0.5ml/minで送液し、650nmでの吸光度を検出した。種々の土壌試料からの溶出イオンの共存下で、10~10Mのネプツニウム(V)の連続定量が可能であることを確認した。本法を砂質土壌層中におけるネプツニウム(V)の移行実験に応用した。測定された砂質土壌層流出液中におけるネプツニウム(V)の濃度は、放射能分析との比較で良好な結果が得られた。
田中 忠夫; K.Sriyotha*; 神山 秀雄
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management: RECOD91,Vol. 2, p.1011 - 1016, 1991/00
堆積層中のTRU核種の移行挙動を検討する準備段階として、移行化学形のわかりやすいCo、Sr及びCsの収着移行メカニズムについて研究した。下北のLLW最終貯蔵予定地周辺から採取した砂岩、凝灰岩及び砂質土壌を用いたカラム移行実験を行い、核種による移行挙動の違いを調べた。さらに、各核種の移行を支配する収着メカニズムを明らかにするため、収着試料についてCaCl、KCl、NHOH・HCl、K-Oxalate、HO-HNOの各水溶液を用いたバッチ法による化学抽出を行なった。移行性の大きなSrは、各試料に収着したSrのほとんど全てがCaClによって抽出され、可逆的なイオン交換反応に支配されることが見い出された。一方、CoはNHOH・HCl及びK-Oxalateによって、またCsはKClによって主に抽出され、それぞれFe及びMn酸化物への収着及び粘土鉱物層内への内部収着に基づく非可逆的な反応が支配的であるため、移行性が小さいことが明らかとなった。